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コラム&ニュースレター

エアコンの2027年問題

ニュースレター 2025年12月号

エアコンの「2027年問題」とは、2027年に施行される新たな省エネ基準により、従来の多くのモデルや低価格帯のエアコンが販売できなくなる可能性があるという問題です。

地球温暖化対策としての環境政策強化が背景にあり、消費電力の大きな家庭用エアコンに厳しい省エネ基準が課されることになりました。

これにより市場から、低価格帯製品の減少と高性能モデルへの移行が加速すると見られています。

◆新基準による市場変化と消費者への影響

2027年の省エネ基準の大幅な引き上げは、 エアコンの性能向上と価格上昇をもたらしま す。

*メーカー側のコスト増と価格への転嫁

主要メーカーは新基準適合モデルの開発を

急ぐ必要があり、高性能な断熱材や高効率 コンプレッサー、AI制御などの最新技術導入による開発・生産コストの上昇が避けられません。

このコストは製品価格に転嫁され、結果的に家庭の購入負担が重くなることが予想されます。

(省エネ基準引き上げ後の変化例)

*低価格帯モデルの減少

新基準の達成が特に難しいとされるのは、コンパクトサイズや格安モデルです。

これらの低価格帯の選択肢が大幅に減少するため、消費者は初期費用が高くても、ランニングコスト削減と環境負荷低減を実現する高性能な省エネモデルを選ぶ必要が出てきます。

*環境政策との関連性

この基準強化は、日本政府が掲げる2050年カーボンニュートラル目標達成に向けた重要な一歩です。

家庭部門のエネルギー消費の中でも大きな割合を占めるエアコンの省エネ化は、温室効果ガス排出削減に直結します。

消費者が省エネマークや高い達成性能のモ デルを選ぶことは、家計のメリットと地球環境への貢献の両方につながります。

(2010年度基準と2027年度基準の比較)

◆新省エネ基準の具体的内容

新基準は、2010年度基準と比較して、年間消費電力量や冷暖房効率の指標であるCX値 (冷房・暖房効率の指標)が大幅に引き上げられます。

*基準値の切り上げ

一定のCX値以上をクリアしなければ、新規販売が認可されなくなります。

これは、過去の省エネ施策の進展と、更なる技術革新による省エネ推進を求める現状認識に基づいています。

*達成の難易度

新基準の達成には、最新技術の導入によるコスト増が不可欠であり、長期間使用されているモデルや、コストを抑えた格安モデルは達成が困難です。

新基準対応モデルは電気代を抑えるメリットがある一方で、大家族や広い住居で複数台の買い替えが必要な場合は初期費用が高くなります。

しかし、最新モデルは静音性や空気清浄機能などの快適性・健康面でのメリットも進化しています。

◆今後の買い替え戦略とリスク比較

2027年以降は、エアコンの価格と選択肢に大きな変化が予想されます。

*現行モデルのメリット

新基準施行前に購入するメリットは、現行モデルの多様な価格帯、在庫の豊富さ、およびキャンペーンの活用ができる点です。現行モデルは価格と性能のバランスが良好で、幅広いニーズに対応しやすいです。

*先送りした場合のリスク

買い替えを先送りすると、新基準適用後に低価格帯や人気モデルの選択肢が減少し、同等スペックでも価格が上がる可能性が高まります。

希望通りの製品が高くなったり、旧モデルの販売終了で入手困難になったりするリスクが懸念されます。

*新基準モデルの展望

今後発売される新モデルは高性能化に伴い価格上昇の傾向が予測されますが、省エネ性能や快適性はさらに進化します。しかし、短期間での価格上昇を見越して、買い替えのタイミングを見極めることが重 要です。

(製造コスト増加要因)

◆賃貸物件オーナーへの影響と対策

賃貸経営者にとっても、新基準対応は物件価 「値と入居率に直結する課題です。

*計画的な設備更新

既存機種の多くが販売不可となるため、現行エアコンの耐用年数や省エネ基準クリア状況を一覧化し、計画的な入れ替えを検討する必要があります。

省エネ適合エアコンを選択することで、入居者の電気代削減につながり、物件の魅力向上になります。

*長期的な投資計画

法改正に伴い、非対応エアコンは価値が低 下し、修理部品の調達も困難になることが予想されます。

5~10年スパンでの設備投資計画を立て旧式機をリストアップして優先順位をつけながら、大量更新時には一括見積もりでコスト最適化を図るのが有効です。

*公的制度の活用

省エネ機器への切り替えには、国や自治体の補助金・助成金制度を活用することで費用を抑えることが可能です。

最新情報をチェックし、明確なスケジュー ル管理のもとで事前申請や書類準備を進めることが成功のポイントとなります。

この問題に対応するためには、賃貸住宅オー ナー様は長期的な視点での設備投資計画を策定することが求められています。

個別の相談をご希望のオーナー様は、担当者までお声掛けください。

※本記事は、ハウスケアラボ 「エアコンの2027年 問題で価格高騰と省エネ基準の全貌を徹底解説!買い替えタイミングと家計への影響を知る」から引用しました。