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成年後見人

"もしも”に備える認知症対策

ニュースレター 2025年7月号

認知症は、加齢などを背景に脳の働きが低下 し、記憶や判断力、思考力に支障をきたす病 気であり、認知症が進行すると、法律上の 「責任能力」が問題となることがあります。


例えば、契約を結ぶ、財産を管理する、遺言を書くといった法律行為では責任能力が問われますから、認知症により責任能力が失われた場合、本人が行った契約や法律行為が無効 となったり、あるいは取り消される可能性が あります。


2025年には認知症の高齢者数は約730万人と予測され、高齢者の5人に1人が認知症になると言われています。

MCI(軽度認知障害) まで含めると、その数は約1,300万人にのぼります。


認知症は決して他人事ではなく、オーナー様ご自身やご家族に関わる重要な課題です。


以下、認知症対策として主な3つの方法をご紹介します。

(1)成年後見制度

(2)家族信託

(3)遺言書

◆ 成年後見制度


成年後見制度は、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分になった方を法律的に支援する制度です。

大きく「法定後見制度」と「任意後見制度」 の2つがあります。


<法定後見制度>

法定後見制度は、判断能力が低下した後に家庭裁判所が後見人を選任し、本人の財産管理や身上保護を行います。

本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保 佐」「補助」の3類型があり、支援内容の範囲が異なります。

たとえば「後見」は判断能力がほとんどない場合で、後見人が財産管理や契約の代理、取消しなどを広く行います。

後見人は親族のほか、弁護士や司法書士などの専門職が選ばれることも多く、その場合には報酬の支払が発生します。

法定後見は、すでに判断能力が低下した後に申し立てが必要となるため、本人の希望を反映しにくいことや、手続きに時間と費用がか かる点が課題です。

<任意後見制度>
任意後見制度は、将来の判断能力の低下に備え、本人が元気で判断能力が十分なうちに、 自ら信頼できる人を後見人(任意後見受任者)として契約で決めておく制度です。

この契約は公正証書で作成し、本人の判断能力が低下した際に家庭裁判所が後見監督人を選任して、任意後見人による支援が開始されます。

任意後見では、財産管理や介護施設への入所手続き、日常の契約など、本人の希望に沿った柔軟な支援内容を事前に決められるのが特徴です。

法定後見と異なり、本人の意思や価値観が反映されやすく安心感があります。

ただし、契約締結時に判断能力が必要であること、受任者との信頼関係や契約内容の明確化が重要であること、また後見開始後は後見監督人の監督下に置かれることなどに注意が 必要です。


◆家族信託

家族信託は、元気なうちに信頼できる家族に財産の管理・運用・処分を託し、認知症などで判断能力が低下した後も、円滑に財産管理を続けることができる仕組みです。

不動産や預貯金などの資産について、あらかじめ管理や活用のルールを定めることで、将来の財産凍結を防ぎ、ご家族が困らないように備えることができます。

成年後見制度に比べて柔軟性が高く、資産の活用方法を自由に設計できる点が大きなメリットです。

一方、デメリットとして、家族信託は契約内容の設計が複雑であり、思わぬトラブルや税務上の問題が発生するリスクもあります。

また、受託者となる家族の選定が非常に重要で、信頼関係が崩れた場合、財産管理が適切に行われない恐れがあります。

さらに、信託の内容は一度契約すると柔軟に変更が難しい場合もあります。

成年後見制度のように家庭裁判所の監督が常 にあるわけではないため、第三者のチェック が働きにくい点もデメリットです。

◆遺言書



遺言書は、自分の死後の財産の分け方や相続人への想いを明確に残すことができる唯一の法的手段です。

認知症になると、遺言書を作成する「意思能力」が失われ、遺言が無効とされる可能性がありますので、判断能力が十分なうちに作成することが不可欠です。

遺言がない場合、相続は法律の規定どおりに進み、本人の希望が反映されず、相続人間でトラブルが起きることも少なくありません。

特に不動産や事業用資産をお持ちのオーナー 様は、具体的な分割方法や処分方針を明記することで、相続手続きを円滑にし、家族の負担を軽減できます。

遺言書は公正証書で作成することで、安全性と確実性が高まり、後の争いを防ぐ効果が期待できます。



◆ ウチダハウスの取り組み



ウチダハウスでは、オーナー様の「もしも」に備えるため、社内で定期的に勉強会を実施しています。


これにより、相続・財産管理などのご相談にも迅速かつ適切に対応できる体制を整えております。

お気軽に担当者までお声掛けください